パーソナルトレーナーあるある

先日、知人から紹介された人とお話をした際、ご本人独自のダイエット理論についてお伺いしました。

これ多分パーソナルトレーナーあるあるだと思うのですが、

「パーソナルトレーニングジムを運営していてそこでトレーニングやダイエットを教えています。」

と自己紹介すると、ご自身が今まで、もしくは現在行っているトレーニングやダイエットの話をされることが度々あります。

個人的にはその人がどのようなやり方で鍛えていようと痩せていようと、本人が満足していれば良いと考えていますので、まず否定することはありません。

時には現在流行しているダイエット法について、体験談などを詳しく聞けることもありますのでどちらかというとお話を聞くのは嫌いではありません。

が、たまに明らかに間違ったやり方や意見を耳にすると戸惑ってしまうことがあります。

激しい体重変化は喜ばしいことではない

まさに先日のケースがそれでした。

その方が豪語していたのが、

「自分はだいたい2ヶ月ぐらいで体重を10kgぐらい落とせる。太ってきたらそうやって自由自在にコントロールしている。」

とのことでした。

実際その結果を出すことは凄いことだと思いますが、デメリットを考えると決して喜ばしいことではありません。

そのダイエットの内容としては、「筋トレは一切行わず、ジョギングを中心とした有酸素運動をほぼ毎日ガッツリ行う」とのこと。

それに加えてて、「ハードな糖質制限でサラダと鶏肉をメインに食べて、一日のカロリーを1,000kcal以下に抑える」ことも同時に行うそう。

そうすることで今までの最高値だと2か月で15kgも体重を減らすことに成功したそうです。

ただ、毎回毎回その後すぐにリバウンドをして、同じく2か月程度で元に戻り、その後痩せたくなったらまた再びストイックに同じやり方を行うことをずっと繰り返しているとのことでした。

いやいや、そりゃ確実に痩せますし2か月マイナス10kcalという成果も当たり前に出ると思います。

それだけストイックに行えるのは本当に凄いとは思いますが、ハッキリ言ってやり方としては最悪です。

筋肉を激しく失っては成功ではない

まず「ハードな有酸素運動」と「極端な食事制限」は、どちらも急激に筋肉の減少を招きます。

加えて筋トレを行っていないので、そのような栄養が確実に不足している環境ではカラダは筋肉を真っ先に手放します。

その方はそのような体重の増減を繰り返していて、そのことを「自由自在にコントロール」とおっしゃっていましたがそれは違います。

無理なダイエットで失われた筋肉量は、筋トレを行っていなければその後のリバウンドで元に戻ることはあり得ません。

つまり、そのような極端なやり方で体重を10kg減らしその後10kg戻った場合、プラスマイナスゼロの元通りに戻ったわけではなく、元よりも大幅に筋肉量を減らしていることになります。

この現象は1回でも避けなければならない大きなマイナスなのに、これを繰り返すとなると想像を絶する量の筋肉が失われて、体脂肪率だけが着々と上がっていっていることになるのです。

このような悲惨な状況を自慢気に語ってはいけませんので、その時は少しだけ警告させていただきました。

ストイックで頭の良い方でしたのですぐにリバウンドの危険性を理解していただき、今後はもっと緩やかに体重を落すように注意し、筋トレも同時に行っていくとおっしゃっていました。

今回のようなケースは珍しくありません。

体重ばかり追いかけているとそのような勘違いに陥ってしまうので、体重だけでなく何(体脂肪、筋肉)がどれだけ減ったのか、その結果どのようなカラダになったのかを冷静に分析、判断する必要があります。

その頑張りを無駄な努力に変えぬよう、ダイエットはしっかりと事前知識を付けて臨みましょう。

頑張りましょうね。

ではでは。