知人がダイエット薬を使って痩せていた
先日、久々に会う知り合いと一緒にお酒を飲みに行ったのですが、約2年ぶりに会うその知人が激やせしていたので驚きました。
「うわぁ、もしや病気でも患っているのか、、、?」と勝手に凄く心配になってしまい、理由を聞くに聞けないでいると、
「俺痩せたでしょ?最近ダイエットしてんだよねー。」とのことで、どうやらここ2か月で10㎏近くも体重を落としたとのこと。
病気ではないことにホッと無でをなでおろし、どうやってそんな急激に減量したのか方法を聞いてみると、なんとダイエット薬を使ったそう。
ダイエット薬、ここ数年でめちゃめちゃブームになっていますね。
飲み薬やら注射するタイプやら、その種類も多彩で、効果効能についても、
・食欲を抑える
・脂質の吸収を阻害する
・糖の吸収を阻害する
・インスリンを直接投与する
などこれまた実に様々。
その知人は「マンジャロ」という、注射で直接カラダに注入するタイプの薬を使っていました。
この薬は糖尿病や肥満の治療を目的として作られたもので、基本的には食欲を抑えたり、満腹感を持続させる効果があります。
(脂肪分解促進や血糖値上昇の抑制あるとのこと)
このマンジャロ、最近よく耳にする薬で、割と使用している人は多いような印象を受けます。
私の知人曰く、週に1回注射するだけで本当に食欲が湧かない&満腹感が続いてお腹が全然減らないそうで、一日一食かつものすごく質素な食事で十分になるとのことでした。
朝と昼は何も食べず、夕食に市販の野菜サラダとサラダチキンだけでお腹いっぱいになると、ニコニコしながら語ってくれました。
食べずに痩せてもデメリットいっぱい
いやー、これってぶっちゃけ非常に危険な行為以外の何ものでもありません。
だって一日の食事が野菜サラダと鶏むね肉のみですよ。
サラダの具材が豊富で、市販のドレッシングを使用したとしても、サラダとチキン二つ合わせてもたったの300~400kcal程度です。
一般的な成人男性の必要カロリーは約2,000kcal程度と言われていますから、5分の1も摂取できていません。
こんなの長期間のファスティング(絶食)しているようなもので、そりゃ体重は落ちるにきまってますし2か月でマイナス10㎏なんて余裕でしょう。
しかもその知人はもともとがそんなに太っていたわけではないため、その状態からのマイナス10㎏の今は正直ガリッガリでした。
スーツをスマートにと着こなしたいからという理由で薬の投与を始めたそうですが、ちょうどその日スーツ姿の知人は私から見たらボディラインにメリハリが全くないので似合っているとは思えませんでした。
さらに驚いたのが、そこまで細くなったのにまだ薬の投与を続けてさらに体重を落としたいと言うではないですか。
さすがに黙って聞いていられなくなり、真剣にこれ以上の薬の使用をやめるよう説得しちゃいましたよ。
なぜこれ以上痩せる必要があるのか?との問いに、若い時に一番コンディションが良かったまで体重があとマイナス4㎏だからとのこと。
これ多くの人が勘違いしがちなのですが、若いころのベスト体重と今のベスト体重は一緒ではありませんからね。
ほとんどの人は若い頃は筋肉量や運動量が今よりも多く、代謝も高いので現在のカラダと別物なのです。
加えて生活習慣も大きく変わっているはずですので、若い頃摂取していた栄養素とは全く異なるはず。
それなのに体重という指標だけで比べようとするのがそもそもおかしいわけなのですよ。
食欲を抑える&満腹感を持続させて痩せるということは、いわゆる「食べない系」のダイエットです。
食事を食べずに痩せるということは、確実に栄養が大きく不足しています。
長くなるので簡単な説明になりますが、人間は栄養が著しく不足すると不要なものを手放します。
特に手放されやすいのがエネルギー消費が多い「筋肉」です。
食べない系のダイエットで体重が大きく減少するのは、筋肉がガッツリ減ってしまうからなのです。
(主に筋肉と水分が減るため体重が落ちるのであって、体脂肪は意外と落ちていないケースが多い)
これを続ければ続けるほど筋肉が減っていき、それに伴って代謝も落ちていき、結果としてメリハリのない&痩せにくく太りやすいカラダが出来上がるというわけです。
まさに本末転倒、この理論を知っていればこんなことはするべきでないことは理解しやすいと思います。
薬で痩せてもやめれば戻る
しかも、薬の力で食べずに済んで痩せているわけですから、当然薬をやめれば食欲は戻ります。
薬の使用前の食欲で太っていたのであれば、同じ食事に戻るならそりゃ太るにきまってますよね。
ちなみにその注射、1本約10,000円とのことで、それなりに大きな負担と言えます。
また、あくまでも「薬」ですので副作用のリスクも考えなければいけません。
私の知人は副作用は全く感じないから問題ない、と言っていましたが、無症状なだけで副作用じたいは確実に起こります。
短期的ならまだしも、長期的に使用するのであればそのリスクについても考えなければいけないと思います。
とりあえず知人には私の熱血的な説得により、これ以上の体重減少はしないと納得してもらいました。
(実際どうなるのかはわかりませんが)
必要な人は使用し不必要な人は使用しない
私はダイエット薬自体を絶対的に否定しているわけではありません。
先述したとおり、糖尿病や肥満症を解消するための薬ですので、それらの症状でお困りの方は頼るべきですし、かなり太っている人がある程度の状態になるまで使用するという使い方であれば良いと思います。
(私からは勧めることはありませんが)
ですが、やはり薬をやめてリバウンドしては意味がありませんので、正しいダイエットの知識(食事&運動)を並行して付けていかないと根本的な解消にはならないと考えます。
今現在ダイエット薬を使用している人や使用を検討している人にとっては耳が痛い話になってしまったかもしれませんが、やはりダイエットは長期的に考える必要があるため今一度考えていただきたいです。
短期的に痩せても元に戻ってしまえばそのダイエットは失敗であり、それによって失われたお金や時間や筋肉は決して元には戻りません。
アメリカの格言で、
No pain,No gain(痛み無くして得るもの無し)
という言葉がありますが、ダイエットもまさに同じです。
楽に逃げずに頑張りましょう。
ではでは。