こんにちは。福岡市中央区・薬院にあるパーソナルトレーニングジムTRYCEです。

卵、、、おそらく世界中のパーソナルトレーナー全員がおすすめする食材でしょう。

本日は、そんなボディメイクにもダイエットにも欠かせない「卵」という身近なスーパーフードについて、ちょっと深掘りしてまいります。

完全食「卵」に潜む落とし穴~生が良いとは限らない~

卵はおいしい食べ物です。

味だけでなく、良質なタンパク質や脂質、ビタミンやミネラルがバランス良く含まれていて栄養価も優秀。

見た目も愛おしいフォルムで、どこからどう見ても、あれは神のミニマル設計だと感じてしまいます。

固ゆで、半熟、炒り、そして王道・卵かけご飯——すべてに意味があり、余白があり、深みがございます。

ただ、そんな万能そうな卵にも「ちょっと待ってくださいよ」と言いたくなる瞬間があるのです。

たとえば、生卵の吸収率があまり良くないという話。

「生が一番フレッシュで体に良さそう」という直感は、実は腸の世界では通用しません。

なぜなら、生の卵白に含まれる“アビジン”という成分が、栄養吸収の足を引っ張ってしまうからです。

アビジン、それはビオチン泥棒

アビジンとは、ビオチン(=ビタミンB群のひとつ)と強く結合してしまい、吸収を妨げる性質を持っております。

ビオチンは肌・髪・代謝に関わる大切なビタミンで、それを根こそぎ奪うアビジンは、まさに“白身界のトラブルメーカー”と言える存在です。

「じゃあ卵は食べないほうがいいのか」と思われるかもしれませんが、ご安心ください。

アビジンは加熱することであっさり無力化されます。

白身が白く固まり始める70℃前後で、アビジンは変性して働かなくなります。

つまり、ゆで卵や目玉焼き、卵焼きのようにしっかり火を通せば、問題ありません。

最強は“半熟”だった

卵は調理する温度帯で吸収率が変わるユニークな特徴を持っています。

では、どの調理法が一番栄養吸収に優れているのでしょうか?

答えは明確です。

  • 生卵:吸収率 約50〜60%(アビジンが活性)
  • 固ゆで卵:吸収率 約91〜94%(アビジン不活性)
  • 半熟・温泉卵:吸収率 約95〜100%(吸収効率のベストバランス)

つまり、「半熟が正義」であるという結論にたどり着くのです。

卵の持つ栄養素を存分に生かすためには、極力火を通して食べることをおすすめします。

吸収されなかった生卵たちの行方

ところで、吸収されなかったたんぱく質はどこへ行ってしまうのでしょうか。

答えはシンプルで、消化されずにそのまま大腸へ送られ、排泄されてしまいます。

未消化のたんぱく質は腸内で発酵し、硫化水素やアンモニアといったにおいの強いガスを発生させます。

つまり、おならが臭くなったり、お腹の張りの原因になったりします。

また、腸の調子が悪い方の場合、分解されきらないタンパク質が体内に吸収され、免疫系が過剰に反応してしまうリスクもございます。

肌荒れ、アレルギー、慢性的な疲労など、「もしかして卵かも?」というケースもあるのです。

とはいえ卵は神フード

ここまでの話を聞いて、「卵って案外ややこしい食材なんだな」と思われるかもしれませんが、

誤解しないでいただきたいのは、卵は依然として“ダイエットとボディメイクの超有能食品”だということです。

  • アミノ酸スコア100
  • 1個当たりタンパク質約6~8g
  • ビタミン・ミネラル・脂質のバランスが優秀
  • オメガ3脂肪酸も(少しではありますが)含まれている
  • しかも1個あたり約90kcalで満足感も◎
  • 栄養価に対してコストパフォーマンスが高い

アビジンやアレルギー、偏食のリスクなど、注意点はあります。

ですが、それは包丁にも「切れるけど刺さると痛い」という当たり前の性質があるように、

“使い方を知っていれば怖くない”という話に過ぎません。

まとめ

卵は「半熟で、ほどほどに、バランスよく」。

ちょっと小難しい話になってしまいましたが、アビジンなんてややこしい成分のことは、70℃の湯でさっと流してしまいましょう。

卵は、日常の中にある“食べる栄養サプリ”です。

まさにダイエットやボディメイクの最強の味方と言えます。

愛すべき食材として、正しく、美味しく、賢く付き合っていきましょう。

ではまた、卵の向こうでお会いしましょう。