福岡市中央区(薬院・高砂)のパーソナルトレーニングジムTRYCEです。

本日は「乳糖不耐症」について、改めてじっくりお話しします。
これ、タンパク質を摂るためにプロテインやヨーグルトを常食している人は必見の内容です。


乳糖不耐症ってそもそも何?

乳糖不耐症とは、牛乳や乳製品に含まれる「乳糖(ラクトース)」をうまく分解できない体質のことです。
乳糖を分解するためには「ラクターゼ」という酵素が必要ですが、この酵素の働きが弱い、あるいは少ない人は、乳糖を消化できずに腸まで届いてしまいます。

その結果、乳糖が腸内で発酵し、ガスや水分が発生してしまう。
これが、お腹の張りや下痢、ガスだまりといった不快症状の原因です。


日本人の約8割は乳糖不耐症気味?

意外かもしれませんが、日本人の約70〜80%は乳糖不耐症の傾向があると言われています。
乳糖不耐症は、遺伝や成長過程に強く影響を受ける体質で、幼少期はラクターゼ活性が高くても、大人になるにつれて分解能力が低下していくことが多いのです。
(子どものころは牛乳を飲んでのに、大人になるとお腹がゆるくなる人はまさにそれです)

欧米諸国では乳製品が主食レベルで摂取されるため、ラクターゼ活性を持続する人が多い一方、日本や東アジアは乳製品文化が比較的新しく、ラクターゼを持続できる人が少ないのが現実です。

今回のテーマからすると余談になりますが、乳糖以外にもその民族の食文化によって“合う合わない”という食材は存在します。
自身の民族(我々は日本人)の食の歴史について、知っておくことは大切です。


乳糖不耐症の症状と生活への影響

乳糖不耐症の症状は、いわゆる「お腹の不調」だけにとどまりません。

  • 腹部の膨満感(ガスがたまる)
  • 下痢・軟便
  • 腸内環境の悪化(悪玉菌優位に)
  • 栄養吸収の低下(ビタミン・ミネラル不足)
  • 慢性的な疲労感・肌荒れ

特に腸内環境の悪化は侮れません。

乳糖が消化されずに腸内に残ると、悪玉菌のエサになり腸内フローラが乱れ、結果として免疫や代謝にまで影響を及ぼす可能性があります。


「乳糖=牛乳だけ」じゃない

乳糖というと牛乳のイメージが強いですが、実際にはヨーグルトやチーズ、バターなど乳製品全般に含まれています。
さらに意外なところでは、プロテインパウダー(特にWPCタイプ)やカフェラテ、菓子パン、加工食品などにも潜んでいます。

つまり、知らず知らずのうちに乳糖を摂取してお腹を壊している、というケースも少なくありません。


乳糖不耐症を放置するとどうなる?

「ちょっとお腹がゆるくなるくらいだから大丈夫」と思っていませんか?
実はそれ、長期的にはリスクがあります。

  • 腸内環境の慢性的な悪化
  • 栄養吸収不良によるパフォーマンス低下
  • 疲労や肌荒れ、免疫力低下

体に良かれと思って飲んでいる牛乳やプロテインが、むしろ体調不良の原因になっている。これは本末転倒です。


乳糖不耐症の見極め方

乳糖不耐症かどうかを判断するために、医療機関では呼気テストや血糖テストが行われますが、セルフチェックの目安もあります。

  • 牛乳やヨーグルトを飲むと30分〜2時間後にお腹が張る
  • 下痢やガスだまりが頻発する
  • プロテインやラテで同じ症状が出る

これらが当てはまる場合、乳糖不耐症の可能性が高いです。

ちなみに私は完全に乳糖不耐症です。
乳糖不耐症の知識を付けるまで、「プロテインを飲むとお腹がゆるくなる」ぐらいにしか思っておらず、「体づくりのためにプロテインを飲まなきゃいけないから、多少の不調は仕方ない」と自分に言い聞かせて飲み続けていました。

今思えば何とも恐ろしいことです。無知って怖い。


対策方法

1. 乳糖を避ける

乳糖を多く含む食品(牛乳、WPCプロテイン、菓子パン等)を控えるか、摂取量を減らす。
ちなみに、コンビニやスーパーなどで手軽に手に入るプロテインドリンクのほとんどがWPCプロテインです。

2. 乳糖除去食品を選ぶ

  • WPI(ホエイプロテイン・アイソレート):乳糖ほぼゼロ
  • 無乳糖牛乳(ラクトースフリー):最近はスーパーでも手に入りやすい
  • ハードチーズ:比較的乳糖が少ない

3. ラクターゼサプリを活用する

日本ではあまり見かけませんが、海外では乳糖分解酵素サプリが普及しており、食事前に摂取することで症状を和らげることができます。
日本人ほど乳糖不耐症が多いので、もっと手軽に手に入るようになればいいですよね。


乳糖不耐症を理解することの大切さ

乳糖不耐症は命に関わる病気ではありませんが、「なんとなく不調」の原因になりやすい厄介な存在です。
そして、多くの人がそれに気づかず、日々の食生活で不調を繰り返しています。

「体に良いと思って摂っている食品が、実は体質に合わない」
これはダイエットや健康管理においても非常によくある落とし穴です。
良かれと思ってやっていることが間違っていた、これこそ最も危惧すべきことだと思います。


まとめ

  • 乳糖不耐症は日本人に多く、症状はお腹の不調から全身の不調まで広がる
  • 牛乳だけでなく、乳製品やプロテイン、加工食品にも乳糖は含まれる
  • 無理せず、合う食品を選ぶことで腸内環境が改善し、体調やパフォーマンスも向上する

もしプロテインや牛乳でお腹の不調を感じる方は、乳糖不耐症を疑ってみることから始めてください。

当ジムでは、パーソナルトレーニングだけでなく、こうした体質に合わせた栄養指導も行っています。
気になる方はお気軽にご相談ください。