健康診断

先日、とあるお客様が健康診断を受信し、血液検査で「ある項目」の数値が高かったとのご報告をいただきました。

その項目とは、肝機能の状態を調べる血液検査のひとつである「AST(GOT)とALT(GPT)」です。

どちらもも今回に限って数値が上がっており、特にAST(GOT)の数値が高かったそうです。

私はそれを受けて、「健康診断を受ける前に筋トレを行いましたか?」と聞きました。

「はい、2日前まで行っていました」とのことでした。

その方は飲酒の習慣もありませんし、プロテインをはじめタンパク質の過剰摂取もありませんので、これは筋トレが原因だなとピンときました。

筋トレで数値上昇?

これ、実は筋トレあるあるでして、血液検査の前に激しい運動を行うとAST(GOT)の値が高くなりやすいのです。

たしかにどちらも肝臓に存在する酵素ですので、これらの数値で肝機能の状態を把握できますが、AST(GOT)に関しては肝臓以外の臓器(心臓や赤血球、胃や筋肉など)にも存在します。

筋肉にも含まれていますので、激しい筋トレを行えばAST(GOT)が血液中に出てきて数値が上昇する可能性があるというわけです。

ただし、よほどハードな筋トレを行わなければ特に問題はないことと、AST(GOT)の血中半減期は半日程度といわれていますので、2日間安静にすれば検査結果に影響は出にくいと言われています。

まあこれらはあくまでも理論的な話ですので、どうしても心配な方は健康診断の約1週間前からは筋トレを控えるのもアリかと思います。

ちなみにALT(GPT)はほぼ肝臓のみに存在しますので、肝機能を調べるにはこちらの方が参考になります。

ただしただし、アルコール性肝障害についてはALT(GPT)よりAST(GOT)の方が上昇しますので、AST(GOT)が高くてγGTPも高いという人は要注意です。

今回のお客様に関しては、飲酒量も少なめですし、ALT(GPT)の数値もそこまで高くなかったので、恐らく事前に行った筋トレが原因だと言えます。

実際、しばらく筋トレを控えてから再検査を受けられたら何の問題もなかったそうです(^^)

また、プロテインをたくさん飲む方も数値が上がりやすいとも言われていますので、日ごろからガブガブ大量にプロテインを飲んでいる人は、もしも数値が上がった場合は量を減らすことも考えていいでしょう。
(大量に飲むと内臓に負担がかかるのでそもそもがNG)

検査は正確に

まとめますと、

・健康診断の最低2日前からは筋トレを控える(できれば3~4日前)
・お酒は飲み過ぎない(そもそも)
・プロテインも飲み過ぎない(そもそも)

この上でAST(GOT)やALT(GPT)の数値が高かったり、くわえてγGTPも高かったら肝臓がダメージを受けている可能性があるので注意が必要です。

今回は健康診断を上手く乗り切るためのコツを伝えたいわけではなく、ちゃんとした数値を把握するための知識をお伝えしたまでです。

また、「AST(GOT)が上昇したけど筋トレのせいだな!」と安易に決めつけるのもよくないです。

実際に直前に筋トレを行っていたとしても、あくまでも筋トレによって上昇した可能性があるだけであって、本当に肝臓が弱っているかもしれません。

それらをはっきりするためにも、健康診断前の筋トレは控えめにして、正しい検査結果を手に入れて欲しいわけです。

兎にも角にも、もし検査で異常に数値が上がったら原因を決めつけて勝手に安心せず、お医者さんに現状を報告し、必要であれば再検査を受けてくださいね。

ではでは。

 

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